2004年シーズンに「内野ならどこでも守れる器用な外国人」として
わずか2750万円の年俸で来日、3割40本100打点をマークし周囲を驚かせた。
2005年はケガでかなり出場機会を減らしたがチームの中で最も多く4番に座った。
ただ、ブラウン新監督体制の中で戦力外となり、
打線に岩村、ラミレスに続く核を作りたいヤクルトが獲得に名乗りをあげた。
昨年はケガが多かった(副管理人の目の前でケガしたこともあった)。
そのおかげで、わずか80試合の出場に終わるのだが、
その中で打率.303、18本塁打、56打点を挙げたのは立派だった。そんな彼の成績を検証しよう。
・OPS.926
イ・スンヨプ、フェルナンデスのところでも触れたが一応説明するとOPSとは出塁率+長打率のことである。
この数字は規定打席到達者のとこにあてはめると両リーグ通じて12位。
2004年は10割を越えており、一流打者であることがよくわかる。
・対右投手打率.313、対左投手打率.280
シュアなバッティングをする打者らしく、満遍なく打てている。
若干対右投手打率に比べて対左投手打率が低いが、
本塁打率を見ると約2倍にもなるので、苦手意識はないとみていいだろう。
・追い込まれてからの打率.268
各球団の平均を見渡しても追い込まれてからの打率は2割前後。
そんな中でのこの打率は際立っている。追い込まれてからの本塁打も7本あり、
カウントに関係なく自分のバッティングができていることがわかる。
・三振30個
外国人のつきものとも言える三振がこれだけ少ないというのは
元来中距離打者で、シュアなバッティングが持ち味であることが大きいだろう。
ちなみに、122試合に出場した2004年も三振はわずかに66個。ものすごいことだ。
・エラー数14個
出場機会が少ない中でのこの数字はかなり多いと見ていい。
2004年はシーツとのコンビでそれなりに守れていたが、2005年はもともとサードで出場予定だったこともあり
守備練習をあまりやらずにシーズンに入ってしまい、
結果的にセカンドを守ることになったというのもこの数字につながったひとつの要因だろう。
・ケガでの離脱4回
ラロッカの最大のマイナス要因はここだろう。
2004年に122試合しか出場できなかったのもケガのせいだ。
ケガをしてしまってはどれだけいいバッターでも意味がない。なんとか防いでほしいものだが。
・2004年の盗塁数11個、2005年の盗塁数0個
それほど足が速いわけではないが2004年にはチームトップの盗塁数と積極的な走塁は目立っていた。
だが、2005年は0盗塁。これは、足のケガをおして出場し続けていたことが大きな要因である。
やはり、ケガだけはしてほしくないものだ。
セカンドはここ数年、土橋と城石が併用されてきた。
ただ、二人とも守備は堅実だが打撃はいい年と悪い年があるといった状態だ。
それに、昨年はファーストも固定できていない。
鈴木健、宮出、ユウイチらが守ったのち、最終的にリグスが落ち着いたが、
守備面を考慮するとラロッカはファーストでの起用もありうる。
いずれにせよ、ケガさえなければレギュラー奪取はほぼ間違いないだろう。
同一リーグ内の移籍なので、主力級の活躍は期待できるだろう。
ただ、何度も述べている通り彼は本来は中距離バッターである。
それが広島市民球場というアドバンテージもあり本塁打を量産できたということを忘れてはならない。
そして、ここまで何度も述べている通り、「ケガさえなければ」という前提つき、つまりフル出場したとして
打率.300〜.320、25〜35本塁打、90〜110打点
このくらいの期待を寄せてもいいのではないだろうか。
何といっても移籍したことで脆弱な広島の投手陣と対戦できるのだから・・・。