ダン・セラフィニ(ロッテ→オリックス)


(1)移籍までの経緯

2004年シーズンに来日するも、当初の扱いは第5の外国人
だが、ミンチーの故障、イ・スンヨプの不振が重なり出場機会を得ると先発・中継ぎとフル回転した。
2005年は先発ローテーションの一角を担い優勝に貢献するも、
年俸でもめてオリックスへと移籍することになった。

(2)成績

昨年の成績は11勝4敗、防御率2.91。
文句のつけようのない、素晴らしい成績である。そんな彼の成績を検証しよう。

@得意打者

阿部真   10打数0安打 打率.000
ガルシア  10打数1安打 打率.100
平野恵   13打数2安打 打率.154
ブランボー 12打数2安打 打率.167

何か気がつかないだろうか。そう、全員オリックスのバッターなのである。
ちなみにキャッチャーの日高的山をみても2人とも5打数1安打である。
セラフィニは昨年オリックスから4勝を挙げており、そのオリックスに移籍したということは・・・
得意打者の検証をしようとしたのにかえってマイナスのデータが出てきてしまった。

鷹野    12打数2安打 打率.167
山崎(楽) 12打数2安打 打率.167
森本    11打数2安打 打率.182

これらの打者を見てわかることは、
大振りタイプの打者が得意
ひきつけてセンター〜逆方向へ打ち返せる打者が得意
といったところだろうか。古巣ロッテにはあまりこれに該当する選手が見当たらない。
これだけ得意選手の特徴が出てきたが、全員Bクラスのチームの打者なのだ。
ちなみに、昨年はBクラスの3チームから11勝のうち7勝を挙げている。
そう、セラフィニはお得意先からきっちりと勝ち星を奪う投手だったのだ。

A苦手打者

塩崎 12打数5安打 打率.417
佐竹 13打数5安打 打率.385
北川 11打数4安打 打率.364
大西 14打数5安打 打率.357
沖原 12打数4安打 打率.333

これらの打者を見てわかることは
広角に打ち分けられる右打者が苦手
といったところだろうか。ということは、古巣ロッテでいえば今江里崎らに苦戦することになるかもしれない。
ただ、得意打者の阿部真も広角に打ち分けられる右打者なのだが・・・。

Bその他のデータ

・対左打者被打率.212
対右打者被打率も.259となかなかの成績だが、この成績はすばらしい
左キラーと呼ぶのにふさわしい数字だろう。

・登板時盗塁阻止率.727
セラフィニは11回盗塁を企画され8つの盗塁を阻止している。
この率が「登板時盗塁阻止率」の算出元のデータなのだが、もともとモーションを盗まれやすい
外国人選手の中では高い数字で、非常に優秀であることが分かる。

(2006.3.17訂正)

(3)移籍先のチーム状況

昨年は故・仰木監督の「仰木マジック」のおかげで
何とか投手陣のやりくりをしていたが、普通に考えて先発陣のコマ不足は明らかだった。
そんな中、JPが巨人へ移籍、ローテーションを守るも不振だったケビンは自由契約、ロッテへ移籍と、
先発候補の外国人が流失してしまった。
ということで、セラフィニ本人の調子さえわるくならなければ先発陣に入り込むのは間違いないと見ていいだろう。

(4)活躍予想

セラフィニロッテ時代から気性が荒く、監督からアメリカンスタイルを許可されていたというので、
いかにセラフィニの性格を理解して起用してもらえるかも大きなカギになりそうだ。
また、セラフィニは昨年11月に骨折と靱帯損傷を修復する内視鏡手術を受けている。
本人は「コンディションも足首も100%」と言っているが、その回復具合次第で活躍できるかは大きく変わるだろう。
そして、今までのデータから古巣ロッテにはやや苦戦しそうだという予想が出たので、

7〜8勝、防御率3点代後半〜4点台前半

と予想する。2ケタ勝利を挙げたらかなり評価できる成績だといえよう。

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